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なぜ本を読むのか?それでも読書をやめない理由

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読書をするとはどういう事か。本が好きでよく読んでいるが、特にこれといった理由は見当たらない。

ビジネス書などは、仕事に役立つヒントが得られればいいと思って読む事もあるが、小説などの文学作品はこれといって日常の生活に役立つものでもない。

それでも、読書をやめない理由』では、作家であり、本を読む事を仕事にしている著者が、インターネットなどに気を取られ、本が読めなくなってしまった、というシーンから始まる。


文学は死んだ、とノアはいった。だから、本なんてもう読まないんだ、と。隠していたものが露わにされる衝撃を感じながら、わたしは気づいた。つまり、わたしも、ノアが間違っているとは思えなかったのだ。(p.16)


インターネット全盛の時代に本を読むということ


ノアというのは、著者の息子で、本を読む事には意味がないと言う。それに対して著者は反論ができなかった。

なぜ著者が反論できなかったかというと、情報を手に入れようと思えばいくらでも簡単にできるインターネット全盛の今の時代に、時間をかけて本を読む事に著者自身が、意味を感じなくなってしまっていたからだ。

この本は著者がこれまでの自分の人生を振り返りながら、本を読む事の意味を取り戻していく物語だ。

本を読む事の意味


わたしたちが本を読むのは、話の筋の底にひそむものを見つけ出すためであり、挑発され、混乱させられるためであり、それまでの価値観をゆさぶってもらうためだ。同時に、作品を読まれる作家たちのほうも、いやおうなく自分たちの価値観を問い直しているのだ。(p.59)


本を読むとそれまで全く知らなかった世界を知る事ができる。通常の生活をしていたら知り得なかった世界を知る事になる。それは価値観を全く変えてしまう事もある。

もちろんインターネットでも様々な世界を知る事はできる。だが、本のようにじっくり時間をかけて、考えながら読む事はない。

私自身もインターネットでは、ほとんどの記事は読み流して終わりだ。価値観を揺さぶられる記事には滅多に出会わない。ネットでは手軽に情報を手に入れる事はできるが、驚くほど頭に残らない。

読書とは瞑想行為


世界からほんの少し離れ、その騒音や混乱から一歩退いてみることによって、わたしたちは世界そのものを取りもどし、他者の精神に映る自分のすがたを発見する。そのときわたしたちは、より広い対話に加わっている。その対話によって自分自身を超越し、より大きな自分を得るのだ。(p.192)


著者は読書とは瞑想行為であると結論付ける。忙しくせわしない日常の中、じっくり本を味わうという機会はなかなかとれない。だが、時間をかける事でしかわからない事がある。本を読む事で自分との対話ができ、その時初めて自分自身の考えに気がつく。

あとがき



私がこの本に興味を惹かれた理由は、著者と同じように以前より本を読めなくなっていたからだ。つい、インターネットの世界に気を取られてしまう。常にスマホを身につけている今だとなおさらだ。

だが、本を読む事の意味に気付いた著者は、インターネットとうまく折り合いをつけながら、徐々に本を読む事ができるようになる。

私もじっくりと時間をかけて本を読んでいこうと思う。効率重視の世界だからこそ、時間をかけて自分と対話をしていく必要がある。

忙しさの中、大切な何かを見失っている方に是非読んでほしい一冊だ。

Wrote by Taka

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