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国や会社に期待せず自分でいかにセーフティネットを作っていくか

自分で作るセーフティネット


昭和のころのサラリーマン社会が終わり、国や会社が守ってくれるということがもはや幻想にすぎないという事は誰もが感じている事だろう。

だから英語力を上げたりと様々なスキルアップが盛んになっている。だが、それは「戦術であって戦略ではない」と著者は主張する。

いろんな個別の戦術に振り回されてあれこれやっていると、気づけば自分の軸がどこにあるのかさっぱりわからず、「そもそも何を目標にしてたんだっけ?」という事になりかねない。だから個別の戦術にとりかかるのと同時に、やっぱり長期的な自分の人生のシナリオ、自分の人生の生存戦略を考えていくのが重要だと思うんですよね。(p.51)



では、どうすればいいのだろう。

自分でつくるセーフティネット~生存戦略としてのIT入門~」では、自分にとってのセーフティネットとは何か?セーフティネットを作っていくためにはどうすればいいかIT分野からの視点で書かれている。

総透明社会の注意点と利点


第一は、人間関係を気軽に維持していくための道具。第二は、自分という人間の信頼を保証してくれる道具。(p.62)


今や誰でも使っているSNS。その代表がFacebook。

他人の自慢ばかりと批判される事も多いが、Facebookの利点は自分の信頼を保証してくれる所。

良くも悪くもFacebookは自分の過去がさらけ出される。自分がどういう事に興味があるのか、今までどんな暮らしをしてきたか、どんな考えをしているかなどが一目瞭然になる。どんな人間なのかFacebookを見ればわかってしまう。

今までの投稿で人間性がわかってしまうのは怖い事でもあるが、逆に言うと善意も丸見えになるという事で信頼してくれる事にも繋がる。

ブログも全く同じで、目先の利益にとらわれPVを集めるために、明らかなつりタイトルをつけた記事などは、中身が伴わなければ、逆に信頼を失ってしまう。1度でもそういう事をすれば、たとえ今までいい記事を書いていたとしても、そういうイメージで見られるようになる。少なくとも私はそういうブログをまた読みたいとは思わない。

生きにくいと感じるかもしれないが、総透明社会の流れは変えられるものではない。ネット社会やソーシャルのマイナス面ばかりを見るのではなく、その流れを受け入れて付き合い方を考えていかなければならない。

他人に与える事で自分のためにもなる


いろんなつながりを持っていて、他人に情報を与えてあげるってことが、まわりまわって自分のためにもなる。そういう時代になっているんです。(p.125)


Twitterで何かわからない事があった時何気なく呟くと、親切に教えてくれる人がいる。また、ある時はいい雰囲気のお店を紹介してくれる人もいる。本当にありがたいし、今までどれだけ助かった事か。

おそらく自分のためになると考えて教えてくれたわけではないだろう。逆に質問しても、教えてくれない人もいる。情報を出すのがマイナスになると判断したのかもしれないが、当然いい印象は受けない。

この両者が困っている時にどちらに手を貸すかは明白だ。

情報は自分だけで持っていても仕方がない。

ブログをやっていて感じる事は、情報を発信する事、人に教える事で自分自身も勉強になり学べるという事だ。

また、ソーシャルやブログを通したゆるいつながりから広がっていく力も実感している。

善い人が生き残る時代


生存戦略として正しいのは、見知らぬ他人に対しても寛容になること。もっと広く言えば「善い人」になることです。(p.172)



善い人には2つのタイプがある。

  • 消極的な善い人・・他人のやることを認めてあげる人
  • 積極的な善い人・・与える人


自分から情報を発信し、他人のやる事を認める心の広さを持つことが「善人」という事だ

情報を発信するという点では、ブログが適している。ソーシャルでもできるが、ブログならより広い範囲の人に向けて情報を発信していく事ができるからだ。

ブログというのは本当に人柄が現れてくる。最近は以前よりブログを読まなくなった。だが、この人が書いているから読んでみようと思う事はある。ソーシャルでも同じで、この人がシェアしている記事なら読んでみようと思う。結局、書いている人や発信している人の人柄に惹かれるのだと実感している。

こう考えると人柄がよく伝わるブログを生存戦略としてやってみるというのもひとつの方法なのかもしれない。

まとめ


自分が中途半端な立ち位置であることを自覚し、善人にもなれないし偽悪者でもないと自覚し、そして他人に寛容になることを目指していく。見知らぬ他人をそうやってまず信頼し、そこから多くの人との弱いつながりをつくっていくこと。これが会社という共同体の「箱」が薄れつつあるいまの時代にとって、最強かつオンリーワンの戦略であるということです。(p.200)



著者の警告として、同じ人が善人にも悪人にもなってしまうということ。みんな入れ替え可能な中途半端なところにいるのだと、自分もそうである事を自覚する事が大事だと指摘している。

白か黒かを突きつけて、人のあら探しをしては批判するのではなく、他人に対して寛容になること、これこそが、これからの社会を生きていく上で必要になる事だ。なぜなら、自分が正しいと思う事も立場が変われば全く違ってくる事になるからだ

これは孔子の教えにもある中庸に通じる考え方だ。

自分と違う考え方を受け入れる心の広さと余裕を持ちたいものだ。



著者の新刊も注目


Wrote by Taka

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