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重大な場面で正しい決断ができる実用的なチェックリストの作り方

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最近物忘れが多くなった事を実感している。

恐らく情報が多くなった事で、脳が処理に追いつけなくなってきている事が原因だ。現代社会は信じられないくらいの情報量になってきている。

そのための対策としてEvernoteを活用し、余分な事を覚えなくても良いようにしているが、それだけでは充分ではない。

そんな時に活躍するのがチェックリストだ。

チェックリストは忘れ物の確認などの個人的な事だけでなく、仕事面でも抜けがないように取り入れている企業は多い。

ただ、そのチェックリストは本当に使えるものだろうか?

アナタはなぜチェックリストを使わないのか?」では、様々な事例を挙げながら、チェックリストの効果と実際に使えるチェックリストの作成方法を学ぶ事ができる。

チェックリストの効果


外科医である著者が、手術時に効果があった事例や建築現場での事例、パイロットでの事例、料理の提供での事例、投資での事例など、多くの事例での効果が書かれている。

熟練した医師でさえミスをする事がある。それも信じられないようなごく簡単な理由で。

むしろ、簡単なミスは初心者より少し慣れてきた頃やベテランに起きる事が多い。車での事故でも少し慣れてきた頃に起きる事からもわかる。

なぜなら、初心者の場合は気が張っているが、慣れてくると張り詰めた気が緩み、漫然とした作業になりやすいからだ。だからこそチェックリストで防いでいく必要がある。

意外だったのが、あのヴァン・ヘイレンのボーカルであるデイビッド・リー・ロスがコンサートでチェックリストを使っていたという事例だ。まさか、この本の中でヴァン・ヘイレンの名前が出てくるとは思わなかった。


実用的なチェックリストの作り方


良いチェックリストは明確だ。効率的で、どんなに厳しい状況でも簡単に使える。全てを説明しようとはせず、重要な手順だけを忘れないようにさせる。なにより実用的であることが良いチェックリストの条件だ。(p.139)


チェックリストは効果があるという事は、なんとなく理解ができても、実際に使うとなると、面倒だったり、使う時間がないと思うのが率直な意見だ。現場で一線として働いている場合は特にそう思うだろう。

実際、私もこんなもの使っている暇なんかないと思ってしまう。

そこで対応策として

  • 一時停止点を作る事
  • シンプルである事
  • 実際に使う人にテストしてもらい改良していく


などが挙げられている。

特に一時停止点がなければ、そもそもチェックリストを作ったところで使われなくなる可能性が出てくるため、最も重要だと言える。

後は、実際に使う人の意見を取り入れながら、何度も修正していく必要があるだろう。

チェックリストの問題点


本当に複雑な状況、つまり一個人で知るのは不可能な量の知識を必要とし、不確定要素が多い状況では、中央から全てを指示しようとすると必ず失敗する。(p.92)


もちろんチェックリストを使っていれば、何も問題が起きないという事はない。予想外の問題は発生する。

建築業界では問題が発生した時のために、あらかじめコミュニケーションをとる時間を設定し、あらかじめチェックリストに組み込んでいる。つまり、個人の力ではなく、集団の力を使っているのだ。大抵の悲劇はコミュニケーションの失敗が原因だというが、これは他のどの業界においても言える事ではないだろうか。

よくありがちな失敗が、現場を信頼せず意見を取り入れないことで事態の収集がつかなくなってしまうことだ。

やはり、最終的には人との関わりになってくる。

あとがき



チェックリストは個人的な事から様々なジャンルの企業において使える。ただ、その作り方については、この本に書いてある注意点を考慮する必要があるだろう。

本書の巻末にはチェックリスト作成のためのチェックリストが付いている。

この本は企業や病院において、チェックリストを作成する側の人にこそ読んでもらいたい1冊だ。

ドラッカーもこう言っている。

失敗を部下の無能や偶然のせいにしない。システムの欠陥の兆候と見る。



人間はどんなに優秀でもミスをするものだ。大事なことは、そのミスを起こさないようにするシステムを構築する事だ。チェックリストはその方法の一つとして十分使える。もし、入院する事があるなら、その病院にはチェックリストがあってほしいと心から思う。

Wrote by Taka


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