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キリスト教が生まれた背景とは「イエス・キリストは実在したのか?」

イエス・キリストは実在したのか?



世界で最も読まれている本と言われるのが「聖書」だ。

私はキリスト教ではないが、1日の終わりにiPhoneアプリで聖書の言葉を噛み締めるようにしている。もちろん聖書自体も読んだ事がある。

聖書はイエスの使徒たちの手紙や文書をまとめたものとされているが、この本では実在したナザレのイエスの生涯に焦点を当てている。

聖人君子のはずのキリストが暴力も厭わない革命家だったと聞いたら思わず興味を惹かれるのではないだろうか。
当時ユダヤ人にとっての聖地であるエルサレムはローマによる支配下にあった。そのローマ帝国と手を結んでいたのが、ユダヤの大祭司たちである。

イエスはその当時他にも多数いたローマ帝国からの解放(神の王国の樹立)を求めた革命家の1人にすぎなかった。

ローマ帝国からの解放を求めた多くの革命家は処刑された。イエスは処刑を避けるため自分の事をメシアと呼ばれないような様々な工夫を施す。メシアの称号よりも「人の子」という称号を選んだ事からもそれが伺える。

異教徒支配からのイスラエルの解放を記念する過越祭が近づくと、イエスはようやくこのメッセージをエルサレムにもっていく決意をした。熱情という武器で武装した彼にとって、今こそ、神殿の権威者と、事実上この聖地を支配しているローマ人監督官らに真っ向から挑戦する潮時だった。(p.194)



異教徒支配からのイスラエルの解放を記念する過越祭においてイエスは自分の正体をついに明かし処刑された。しかし、イエスが他の大勢のメシアと名乗る人々と違ったのが「復活」した事。神としてのイエスの誕生である。

その後、キリスト教として世界的宗教へと広まった経緯のなかで、イエスは革命家としてではなく、全人類の平和を願う救世主であるように書き換えられたのである。イエスの教えからユダヤ教の教えを巧妙に取り除き、イエスを処刑したのはローマ帝国ではなく、ユダヤ人であったとした。全ての悪を担う事になってしまったユダヤ人は厳しい差別にさらされるようになるのだが、本当にイエスが望んだ事は何だったんだろうと思わされる。

この本を読んで思ったのは人間というのは少しも太古から変っていないという事。現在もテロリストが存在しているが、イエスもその当時のローマ帝国から見れば同じような存在だったと言える。物事は見る立場よれば大きく変わるという事は理解しておく必要がある。

イエスは、彼らと同様、人間の王国を打倒するための大軍ももっていなかったし、ローマの海を掃討する艦隊もなかった。彼が「神の王国」を樹立するためにもっていた唯一の武器は、彼より以前、あるいは以後に現れたメシア全員が用いたのと同じもの、結果的には、神の都からローマ帝国を追い出すことになる反徒や暴徒らが用いたのと同じ「熱情」という武器だった。(p.194)



この本はキリスト教が生まれた背景を知りたい人にはオススメの1冊だ。




Wrote by Taka

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